1.歩道状空地とは
マンションやアパートを建築する際に、市から開発行為の許可を受けるため、敷地のうち道路沿いの一部を私道として整備する場合があります。このような私道を「歩道状空地」といいます。 歩道状空地の舗装には、アスファルト舗装のほか、カラフルなコンクリートブロックを敷き詰めるインターロッキング舗装がよく用いられています。
2.従来の評価方法
歩道状空地は道路と同様に第三者が通行している場合でも、私道としての評価ができませんでした。歩道状空地は建築基準法の道路に該当せず、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合のこと)の算定の基になっているためなどの説明がなされてきました。
3.新しい評価方法
しかし、2017年2月に最高裁判所において、以下の要件を満たす歩道状空地は私道と同様の評価とする旨の判決がでました。
- 会社は個人から無償で土地を借り、税務署に「土地の無償返還に関する届出書」を提出します。この届け出は、将来会社が土地の賃借をやめて土地を個人に返す時に、会社は土地に対する借地権を個人に主張しないで、無償で土地を返還することを約束する、ということを意味します。したがって、会社には権利金に相当する借地権の贈与を受けたとする受贈益課税はありません。つまり、法人税は課税されません。
- 道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されていること。
- 居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されていること。
上記要件に該当すれば、私道として以下のように評価できます。
- 不特定多数の第三者が通行する私道、いわゆる通り抜け道路 …評価しない。評価額ゼロ。
- 特定の者しか通行しない私道、例えば通り抜けできないような道路…宅地としての評価額の30%。
4.具体例
賃貸マンション敷地の評価 → 路線価200,000円×(18m×30m)×(1-60%×30%)=88,560,000円
インターロッキング舗装敷地の評価 → 不特定多数の人が通行しているため、評価しません。
5.すでに申告している場合には
歩道状空地を宅地として相続税の申告を行った場合には、相続税を過大に納めたことになります。法定申告期限(被相続人が亡くなってから10か月)から5年以内であれば、過大納付分の還付を請求できます。過去に申告した相続財産に歩道状空地がなかったか確認してみてください。
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